【会計士論文】平成29年財務会計論計算部分の講評~第5問~

勉強法
スポンサーリンク

 

今日は、難しかった第5問について。

近年、第3問が基本的で、
第5問が難問のことが続いていますね~。

この傾向はまだまだ続きそうな気もしてます。
ま、何があるか分かりませんから、
予断は持たないほうがいいですけどね。

 

連結財務諸表の総合問題

典型的な、連結財務諸表作成の総合問題でした。

損益計算書、貸借対照表、株主資本等変動計算書、
包括利益計算書と財務諸表が勢揃い。

出題パターンとしてはスタンダード。

「お、いつもの連結だな」

と思った人も多いのでは。

 

資本連結が激難

ところが。

資本連結が、劇的に難しいです。

まずは支配獲得時における子会社の退職給付引当金。
未認識の差異が生じていますので、
個別BSとの差額が時価評価差額として扱われます。

これは、第3問と少し連動している気もしますね。

しかも、その評価差額は、
未認識の差異ですから、その後毎年費用処理されていきます。

そうです。
評価差額の実現です。
減価償却による評価差額の実現と同じイメージですね。

これに気づけたかどうかで、
資本連結部分の点数がとれたかどうか、
差がつくでしょう。

気づいて、のれんが正しく算定できた人は、
アドバンテージだと思って良いでしょうね。
難しいですからできていなくても気にしない。

そして一番難しいのが、
問題1の文章で一部問われている論点です。

P社が子会社S社株式を、
持分法適用会社のT社へ売却し、
対価としてT社株式を発行してもらい、
その結果としてT社が子会社になるという、
これまた極めて難解な論点です。

まず状況把握するのに一苦労。
複雑な資本関係のときには、必ず図を書きましょう。

もともとはこうです。
S社は子会社、T社は持分法適用会社です。

 

こういう取引が行われています。

S株10,000株をT社へ譲渡しつつ、
対価としてT株を発行してもらっています。

 

その結果、P社のT社に対する持分比率が51%になりました。
持分法から連結への移行です。

さらに、T社がS社株式の20%を持つことになりますので、
間接所有のような形にもなっているのです。

P社からみたS社に対する実質の持分比率は、
自分が直接持っている60%に加えて、
T社への持分比率51%×20%=10.2%も含まれます(合計70.2%)。

実質的には、80%→70.2%への減少ということです。

この辺がつかめれば、問題1の穴埋めはできたはずです。
問題1は完答したいですね~。

 

ま、把握できたところで、
実際の会計処理は非常に難しいのですが。。。

なので、問題3での当該処理が絡む箇所は、
ほぼ捨てで構いません。
S社に評価換算差額等もあるし退職もあるしで、
難しいことこの上ないです。

段階取得に係る差益くらいは、出せたかもしれませんけどね。

 

成果連結は易しい

一方、成果連結は、
めちゃくちゃ簡単。
合算の有無のみで解答できる箇所もあります。

アイエキケコスチネ

あたりは、死にものぐるいで取りたい。
これで26箇所中、9箇所。3割~4割。

 

問題1をなんとか埋められるだけ埋めて、
問題2は関連会社株式⑧だけでも埋められれば、
素点で4割に達するか達しないかくらいは取れそうです。

まぁ、実際には凡ミス等もあるでしょうから、
3割が偏差値50ラインでしょうかねぇ。

 

資本金や、剰余金の配当にも、
配点来ていましたね。
P社の金額を写すだけ!!

これは来年以降の受験生にも朗報です。

たぶん、合算した数値を書いている人、
ちょっとはいると思うんだよな~。

補習所の合宿の問題で、足してる人いましたからねw

SnapCrab_NoName_2017-9-11_9-32-28_No-00

 

第5問では、基礎的な箇所を見極めて、
そこを焦らず得点することです!

大変難しい問題でございました。
お疲れ様でした。

★★★★★★★★★★

【編集後記】

今日はたまったことを片付けます。

 

【月間300kmプロジェクト】

94.8km/300km(トータル)

タイトルとURLをコピーしました