いつもお読みいただきありがとうございます。
すでにさまざまなところで先日の本田選手のPKについて議論されているようです。たとえば以下の記事。ラモスさんは,遠藤に蹴らせるべきだと言っているようです。
本日はこのことについて自分なりの考えを述べたいと思います。
問題としては,「本田はPKを真ん中に蹴るべきだったか?」ということです。私は真ん中に蹴って正解だったと考えます。実際にゴールが決まったから,という結果を考慮外にして,です。
なぜなら,あのような場面においてコースを狙ったシュートは枠を外れてしまう可能性があるからです。
あの場面でかかるプレッシャーははかりしれません。絶対に外せない状況。全国民が固唾をのんで祈るように見つめている状況。同じような場面に立ったことはありませんので想像の域を超えませんが,私なら心臓が口から飛び出してしまいシュートどころではないでしょう。
あそこで蹴れるのは圭佑だけだとチームの誰もが口にしていることからも,本田選手のメンタルの強さが分かります。そんな彼が真ん中に蹴ったのだから,それは正解だったと言っていいはずです。
真ん中に蹴るのはリスクが高いという意見もあるでしょう。確かに,キーパーが一歩も動かなければあっさりと止められてしまいます。サイドを狙って強いボールを蹴れば,仮にキーパーに触られても決まる可能性はあります。
いままでたくさんのPKを見てきましたし,自分自身もそれなりに蹴ってきました。その多くは両端を狙ったものです。枠を外れてしまう場合もあれば,キーパーのファインセーブもあります。キーパーの逆をつくことできれいに決まることもあります。シュートがサイドネットに突き刺さったときの気持ちよさは半端じゃないです。これは経験者にしか分からないでしょう。
ですが,緊張感のなかで蹴るシュートほど,コースが甘くなって止められてしまったりポストにはじかれたりするものなのです。
遠藤だってこのシュートで止められていますし,https://www.youtube.com/watch?v=XGh62AwfFIM
南アフリカW杯の駒野のPKもコースを狙ってバーにはじかれています。(3:33あたり)
どんなに狙っていても,どれだけ練習していても,ぜったい決まるコースに蹴るというのは難しいのです。
また,キーパーは事前に横に飛ぶことが多いように思います。先に動かないとシュートは止められないからです。そういう意味では狙ったところに打てるかどうかという技術力は当然のこと,実はPKは心理戦です。いかに相手の裏をかくか。
本田選手はきっとそこまで考えていたのでしょう。私も本田選手から見て右に蹴るだろうなと思っていました。(キーパーも実際そちらに飛んでいます。)それを見越した上で,真ん中にズドン!本当にすごい選手だと改めて思いました。きっと彼の人生で費やしてきた半端ない練習量があのシュートを打たせたのでしょう。決まるコースが感覚的に分かってしまうのでしょうね。考えるんじゃない,感じるんだ。ということです。
何事も,その域に達するまで出来れば楽しいでしょうね。
あのPKについては賛否両論ではありますが,とにかくW杯本番がとても楽しみです。
最後までお読みいただき本当にありがとうございます。
複利のような人生を。