バラモンキング2017完走記その33~AKBを抜き、そして抜かれる~

トライアスロン
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バラモンキング2017の完走記シリーズ。

第1回からぜひどうぞ↓↓↓

 

登場人物はこちら↓↓↓

止まるAKB

駐車場を折り返し、下り基調になる。
下りであれば、漕がなくてもいいから楽だ。

これがランとの決定的な違い。
ランは、上りでも平地でも下りでも、
脚を動かさなければ進むことはできない。

しかしバイクは、下りでは脚を動かさなくても進むのだ。
元気であれば下りでも勢いよく漕げるが、
もうその元気はなく、休める限り休みたいといった状況。

下りは休んで、片足ずつペダルから足を離して、
くるくる足首を回す。
それくらい足裏~足首周りがやられていた。

あと10kmくらいであろうか。
もう少しでゴールできる。

と、見慣れたヘルメットの選手が道の脇で止まっていた。

AKBであった。

何かアクシデントでもあったのだろうか。

ロングレースの前はいつもトラブルに見舞われるAKB。
初のロングとなるアイアンマン洞爺湖でも、
レース前のシャワー中に首か肩のあたりを思いっきり痛めたらしい。

それでも出走し、そしてギリギリながらも完走するところに彼の強さがある。
僕には到底真似できない強さだ。

「どうした!?」

と聞くと、

「もうリタイアする」
「だーめだ」
「痛すぎる」

と、いつにになく弱気。

昨日は後輩の僕に、
ヴァイイイイイイイン!ボール
で気合い注入してくれたAKB。

もしいまそのボールが手元にあれば、
逆に先輩の股間に押し当てて、励ましてあげられたのに。。。

 

非常に残念だが、AKBの分までしっかり走ることを誓って固く握手を交わす。
時間に余裕があるわけではないので、すぐにその場を離れた。

 

AKBに抜かれつつ

残り10km弱。
平常時なら20分くらいで終わる距離だ。

しかしいまは違う。
体はボロボロなのだ。
平地でも20km/hくらいしか出ていなかった気がする。

 

しばらくすると、聞き慣れた声がする。

 

 

 

「あれ抜いちゃった」

 

 

AKBであった。

リタイアを決めたものの、いけるところまでいくことにしたらしい。

リタイアを宣言したAKBにまで抜かれるとは。
どれだけ僕のバイクが遅いかご理解いただけるだろう。

 

AKBに抜かれたあとも付いていく気も起きず、
まだか~ゴールはまだか~と思いながらタラタラ漕ぐ。

途中、風車をいくつかみかけた。

グルグル勢いよく回っていた。

そう、この日は暑さもありつつ、風も強かったのだ。

向かい風に何度も心が折れそうになった。
ここにきて、また風だ。
はぁ。

でも。
この風が電気となり、五島の人たちの生活につながっているのかもしれない。
と思うと心が軽くなった。

もう少し。もう少しでバイクが終わる。

★★★★★★★★★★

【編集後記】

今日は原稿を進めました。

夜は早めに帰宅して家族と過ごします。

 

【昨日のトレーニング】

・ジムラン

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