頭の良い人は、抽象化能力の高い人、という話をしました。
ということは、受験勉強も、
抽象化能力が高い方が有利と言えるでしょう。
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あなたの家の蛇口と、
私の家の蛇口って、同じものでしょうか?
個別具体で考えていたら、厳密には、違うはずです。
メーカーが同じで形状も同じであれば、同じと言えなくもないですが、
材料に含まれている成分とかまで考えていけば、
まったく同じ蛇口は存在しないはずです。
我が家の蛇口と友達の家の蛇口は違います。
違うわけですから、お湯が出てくるかもしれないし、
ミカンジュースが出てくるかもしれない。
でも我々は、誰の家の蛇口であっても、
どの駅のトイレの蛇口であっても、
水が出てくると分かるわけですよね。
これは、抽象化能力があるからできることです。
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犬とか猫の判別もそうと言って良いでしょう。
個別具体で見ているだけだと、
チワワとダックスフンドとゴールデンレトリバーが
同じ犬とは思えないはずなのです。
でも、我々は、同じ「犬」だと理解している。
多種多様な犬を見てきて、あれは犬だよ、
これも犬だよ、と昔から聞かされてきて、自然と身についているんですね。
実は、抽象化能力は、子どものうちから
知らず知らずのうちに鍛えられ、身に付いているのです。
さらに、犬も、猫も、猿も、人間も、
「動物」という括り方ができますね。
このように、個別具体の細かいものから、
共通する部分を見出して一段、また一段と上に上げていく。
これが抽象化です。
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なんらかの問題を解くとしましょう。
そうですね、リース取引の問題にしましょうか。
これは、ただの1つの具体的な問題です。
所有権移転外、リース期間4年、割引率2.3%。。。
これは、超具体的なレベルです。
別の問題ではリース期間5年だったり3年だったり。
割引率も3%だったり5.2%だったり。
その細かいレベルで見れば、同じ問題は1つとしてないわけです。
それをいちいち別の問題だと思っていたら、
永遠に試験には合格できないでしょう。
いままで解いた問題と、その具体的なレベルで
まったく同じ問題が本試験で出ることはないわけですから。
そこで、抽象化能力が必要になる。
法則性を見出す能力とか、規則性を見出す能力と言ってもいいです。
所有権移転外リースの問題で、共通する点を見出すこと。
割引率はどれを使うとか、減価償却はどうするとか。
これは個別具体では違うかもしれませんが、
大枠のルールは同じになっています。
その大枠を捉えることがとても大切。
そうしないと、全ての問題が初見になってしまいますから、
いつまで経っても点数が伸びてきません。
抽象化能力を高めるためには、普段から意識することです。
子どもの頃は親や先生が勝手に抽象化させてくれましたが、
大人になってからの学びでは、自ら意識せざるを得ないのです。
「例題は解けるけど、初見の問題が解けないんです、、、」
という方は、全く新しい個別具体の問題としてしか
その新しい問題を捉えられていない可能性が高いです。
こんなイメージですね。
個別具体の問題をいくつか解いていって共通項を見出す。
それを初見の問題に応用していく。
それによって、初めて見る問題でも、対応出来るのです。
成績優秀な人はきっと、無意識にやっているはず。
この問題はテキストのあの問題と同じだな、と考えながら解いている。
抽象化することを、日頃から意識してみましょう。
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抽象化すること。
様々な問題を解き、共通点を見出せれば、
初めての問題も解くことができる。
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【編集後記】
今日はY理論MGです。
Y理論の考え方を導入した世界初のMG!!
楽しみです。