5人のKingと1人のKnight~バラモンキングになれなかった男のDNF記その18~コンタクトと格闘

トライアスロン
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2015年6月14日(日)に開催された「五島長崎国際トライアスロン大会」にて,

スイム3.8km,バイク180.2km,ラン42.2kmの合計226.2kmに挑み,

バイク113kmの関門に間に合わず無念のDNF(Did Not Finish)となった僕の,

赤裸々なDNF記である。

 

(登場人物)

元帥:ポセイ丼1期生,主将。黒くて太いExcel税理士。6以上(6桁以上ではない)が数えられない。

AKB:ポセイ丼1期生。80kgを超える巨体だがフルマラソン4時間切り。隠し撮りが得意な保険家。

仙人:ポセイ丼1期生。仙人。解脱しているゲ○。ウルトラやトレイルの鬼。さらりと返すコメントから,相当な切れ者であることがよく分かる。

えぇ。。さん:ポセイ丼2期生。軟体動物。BもCもAにしてしまう。ストレッチのしすぎで逆にバイクが苦手になってしまったIT診断士。

みよっしー:ポセイ丼2期生。笑顔が素敵な身体能力抜群のエンジニア。メンバーの中で自分が一番フツウだと思っている勘違い野郎。

 

メンバー詳細はこちら

 

★★★

レースを続けることにしたのはいいのだが,

替えのコンタクトもなく,やはり万事休すか,と思われた。

しかし,走り続けることを決意すると,不思議なことに解決策が思い浮かんできた。

 

エイドで水を目にぶっかければ戻るんじゃないか。

目の中のどこかにあるであろうコンタクトを探し出して,

正常な位置に戻してやること以外,完走への道は残されていない。

少なくとも次のエイドまでいかなければ。

今にも倒れてしまいそうなペースでノロノロと走る。

二本楠の交差点でも迷うことなく,2周目に進んだ。

 

しばらく行くと,エイドが現れた。

バイクを降りて水を受けとり,寝転んだ。

仰向けに寝っ転がり,右目に向けてボトルの水を噴射する。

そして強く瞬きをする。

それを何度も繰り返していく。

 

もう選手はほとんどいなかった。

2周目に進むのはAタイプだけであり,

Aタイプの中で僕はほぼ最下位でスイムを終えている。

片手で数えられる位の選手が,エイドを通り過ぎていった。

このとき,まだ僕の頭の中には「関門」というものは存在していなかった。

 

なかなかコンタクトが出てこない。

何度も何度も繰り返し水を入れては瞬きをする。

もうだめだと思いかけたそのとき,ぽろっと取れた。

まず第1関門は突破した。

ここまでおよそ5分。

あとは,元に戻すだけ。

 

 

だが,これがなかなかうまくいかない。

コンタクトが,1.2倍くらいのサイズになってしまっており,

ただでさえ小さいつぶらな瞳にはなかなか入ってくれないのだ。

写真 2014-06-19 12 26 00

 

何度も何度も失敗を繰り返す。

見かねたボランティアスタッフの方が,

鏡を持ってきてくれた。

鏡を見ながら,何度も繰り返しコンタクトを右目に運ぶ。

 

「繰り返しが大事ですよ!」

と普段から口酸っぱく言っているわけだが,

まさかこんなところで自分が繰り返させられることになるとは。

 

時間だけが無情にも過ぎていく。

過ぎていく人はもう誰もいなかった。

 

 

 

コンタクトと格闘することおよそ15分。

入った!!!!!!

多少違和感はあるものの,右目だけでもちゃんと見える。

大幅なタイムロスをしてしまったが,これでレースに復帰できる。

おそらく最後尾だろうが,まだまだ追い上げは可能だ。

鏡を貸してくれたお姉さんに感謝を述べつつ,

僕はバイクを漕ぎ始めた。

いま,やっと90km地点。

この倍を走れば,バイクフィニッシュだ。

 

気付かないほどゆっくりと,しかし確実に,

「そのとき」は背中まで迫っていた。

★★★★★★★★★★

【編集後記】

妻が体調を崩したため,久しぶりに家族孝行。

娘を抱っこして,病院まで初めての外出。

ずっと大人しくしていてくれました。

僕に似てとってもいい子です(*^_^*)

 

ないすとぅみーとぅ!

 

 

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