バラモンキング2017の完走記シリーズ。
第1回からぜひどうぞ↓↓↓
登場人物はこちら↓↓↓
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止まるAKB
駐車場を折り返し、下り基調になる。
下りであれば、漕がなくてもいいから楽だ。
これがランとの決定的な違い。
ランは、上りでも平地でも下りでも、
脚を動かさなければ進むことはできない。
しかしバイクは、下りでは脚を動かさなくても進むのだ。
元気であれば下りでも勢いよく漕げるが、
もうその元気はなく、休める限り休みたいといった状況。
下りは休んで、片足ずつペダルから足を離して、
くるくる足首を回す。
それくらい足裏~足首周りがやられていた。
★
あと10kmくらいであろうか。
もう少しでゴールできる。
と、見慣れたヘルメットの選手が道の脇で止まっていた。
AKBであった。
何かアクシデントでもあったのだろうか。
ロングレースの前はいつもトラブルに見舞われるAKB。
初のロングとなるアイアンマン洞爺湖でも、
レース前のシャワー中に首か肩のあたりを思いっきり痛めたらしい。
それでも出走し、そしてギリギリながらも完走するところに彼の強さがある。
僕には到底真似できない強さだ。
「どうした!?」
と聞くと、
「もうリタイアする」
「だーめだ」
「痛すぎる」
と、いつにになく弱気。
昨日は後輩の僕に、
ヴァイイイイイイイン!ボール
で気合い注入してくれたAKB。
もしいまそのボールが手元にあれば、
逆に先輩の股間に押し当てて、励ましてあげられたのに。。。
非常に残念だが、AKBの分までしっかり走ることを誓って固く握手を交わす。
時間に余裕があるわけではないので、すぐにその場を離れた。
AKBに抜かれつつ
残り10km弱。
平常時なら20分くらいで終わる距離だ。
しかしいまは違う。
体はボロボロなのだ。
平地でも20km/hくらいしか出ていなかった気がする。
しばらくすると、聞き慣れた声がする。
「あれ抜いちゃった」
AKBであった。
リタイアを決めたものの、いけるところまでいくことにしたらしい。
リタイアを宣言したAKBにまで抜かれるとは。
どれだけ僕のバイクが遅いかご理解いただけるだろう。
AKBに抜かれたあとも付いていく気も起きず、
まだか~ゴールはまだか~と思いながらタラタラ漕ぐ。
途中、風車をいくつかみかけた。
グルグル勢いよく回っていた。
そう、この日は暑さもありつつ、風も強かったのだ。
向かい風に何度も心が折れそうになった。
ここにきて、また風だ。
はぁ。
でも。
この風が電気となり、五島の人たちの生活につながっているのかもしれない。
と思うと心が軽くなった。
もう少し。もう少しでバイクが終わる。
★★★★★★★★★★
【編集後記】
今日は原稿を進めました。
夜は早めに帰宅して家族と過ごします。
【昨日のトレーニング】
・ジムラン