いつもお読みいただきありがとうございます。
会計士や税理士,コンサルタントの中には,「固定費削減で利益を確保しましょう」というアドバイスをする人は少なくありません。確かに数値上はそうかもしれませんね。単純に,かける固定費が小さければその分利益は増えます。
しかし,それはあくまでも数値上の話であり,静的な話。実際の会社経営はめまぐるしく変化する市場のなかで行わなければならない,動的な話なのです。その中で,固定費を削減すればよいというのはちょっと安易すぎると思います。製品開発の為の研究開発費を削減したら,将来の収益機会を失うかもしれませんし,広告宣伝費を削減したら売上が激減するかもしれませんし,人件費を削減したら組織が衰退してしまうかもしれません。
固定費は会社のパワーなのです。
今の数値だけを見て,利益が出せればよいのだから固定費削減だ,という話にはなるのはちょっと違う気がします。大事なのは将来であり,どうすれば利益が最大化できるかを考えなければなりません。無駄な固定費であれば削減した方がよいのは当たり前ですが,会社にとって必要なものであるにもかかわらず削減してしまっては逆に儲からなくなってしまうでしょう。
これは,会社のみならず個人にも当てはまりそうです。
固定費を削減すれば確かに当座の資金は増えるかもしれませんが,目に見えない損失,いわゆる機会損失というものが発生しているはずなのです。それは,将来その固定費をかけることによって得られるであろう収入。徹底的に固定費を削減しようと思えば,本を一切買わないようにするとか,外食は一切しないとか,セミナーには一切出ないとか,いくらでも可能なことはあるでしょう。
でも,そうすることで学びの機会が減り,自分の能力が低下し,ひいては収入減少(もしくは増加機会の喪失)につながってしまいます。やはり,ある程度の固定費はかけていかないとまずいのです。
とはいえ,何でもかんでも固定費をかければ良い訳ではありません。固定費の中には,将来の収入UPにつながらない無駄なものも含まれているはずです。薬草を道具屋で100個も買っていたら完全な無駄遣いですよね。ベホイミを覚えてしまえばほとんど薬草を使う機会はなくなります。
良い固定費はかけ,悪い固定費は削減する。それが自分の価値を高め,儲けを増やすための最良の方法だと思います。
最後までお読みいただき本当にありがとうございます。
継続は人生なり!今日もコツコツいきましょう。