「このプレーで、というのはないし、いつ決断した、というわけではない。技術、体力は衰えているとは思わないけど、心の部分で引っかかるようになった。続けるのは簡単だった。辞める、という決断が一番、難しかった」
誰の言葉かおわかりになりますでしょうか。
プロ野球、巨人の鈴木尚広選手です。
知っている人は多くはないかもしれませんね。
クライマックスシリーズでの牽制球アウトが記憶に新しい選手です。
12年連続で2桁盗塁。
今シーズンは盗塁成功率100%。
走塁のプロ中のプロ中のプロ中のプロ中のプロです。
彼が代走で出てくると、相手ピッチャーは相当イヤだったことでしょう。
そんな彼が、引退するというのです。
冒頭はそのコメントなのですが、
続けるのは簡単だった、辞める、という決断が一番、難しかった。
この部分、我が意を得たり!という感じでした。
続けるのは簡単なんです。
例えば資格試験にチャレンジして、
なかなか合格できないでいるとします。
あと1年!
あと1年!
あと1年!
本当にあと1年!
と、辞めずに勉強を続けていくことは、ある意味簡単です。
以前と同じことを繰り返すだけですから。
そこに変化はありません。
(もちろん勉強方法を変えるとかは必要ですが)
今年で受験を辞める!という決断をするほうが、よっぽど難しい。
だからこそ私は、「受験は3回まで」と決めてから勉強を始めたのです。
今思えば、小1から始めたサッカーも、辞めることができずに、
結局高3まで、12年間も続けてしまいました。
センスがなくて花開かないことは、
小3くらいで気付いていたのに、です。
辞める決断は続ける決断よりはるかに難しい。
仕事にも、そういう面は多分にあるでしょう。
心の底では辞めたいと思っていても、
そう簡単には辞められるものではありませんよね。
でも、もし辞めたとすれば、その先にしか見えない景色があるはずです。
辞めるとまではいかなくても、
減らすとか、捨てるとか、
10あったものを7にするとか、
それにもかなり勇気が必要でしょう。
財務会計の勉強時間を減らして
その分を理論科目にあてるのも、
最初は勇気が必要かもしれません。
大学の講義を減らして予備校の講義を入れるのも、
最初は勇気が必要かもしれません。
昔の彼女にもらった手紙を捨てるのも、
勇気が必要かもしれません。
読みかけの本を捨てるのも、
勇気が必要かもしれません。
でも、その勇気を振り絞った先には、
清々しさが待っていることが多いはずです。
部屋を掃除して捨てまくって、
気持ちよくなった経験は誰にでもあるでしょう。
鈴木選手がいまどんな心情なのか察することは難しいですが、
ある種の清々しさはあるんじゃないかな~と思います。
辞めようか続けようか悩んでいるかた、思い切って、
辞める決断をしてみてはいかがでしょうか。
★★★★★★★★★★
【編集後記】
AIセミナー後にAIの本を買い込んで読んでいたら、
夜中1時になっていました(^_^;)