ハラルと並走すること1kmほど。
「このあとはもう砂利道はないよね!?」
とハラルに聞くと,うしろからおじさんの声が。
「もうこの先はないですよ~」
なんと優しい人なのだろう。
彼は続けて,
「35kmくらいまで上ったら,あとは50kmくらいまでずっと下りです」
という追加情報も提供してくれた。
相手にちょっとでもプラスの痕跡を残す。
期待値を上回る。
とはこういうことだと思った。
資格試験では,問われていないことに答えても点数は来ない。
しかしウルトラマラソンのような心身の消耗が激しいレースでは,
人の優しさだけで癒されるのである。
聞けば,今回完走すればユプシロン!という方であった。
(※ユプシロンとは野辺山ウルトラマラソンを20回完走という,
化け物の中の化け物のことである)
10時間も切れるという。
そのときのペースは,50kmまで4時間で行き,残り50kmを6時間だそうな。
50kmを4時間て。あれだけ上りがあるというのに。
僕の横には42kmですら4時間で走れないヤツもいるというのに。
ん?待てよ。
なぜそんな化け物の中の化け物がこの位置にいるんだ?
これは何かの罠かもしれない。
そう思って会話をしていると,やはり。
今回はゆっくり走っているということであった。
情報をもらい,感謝を述べ,また進む。
ハラルと共にエイドに到着した。
33kmくらいの大きなエイドにておしるこを食す。
ちょうど良い甘さ。
その後,ハラルの姿が見えなくなったので,
仕方なく一人で進むことにした。
この一番左のお方がユプシロン候補。
上りで歩いている姿を見て,少しほっとした。
ユプシロン候補も人間なんだ,と。
天気も良く,下りは気持ちいい。
マラソンの醍醐味の一つは非日常感を得られること。
こんな自然にはなかなか触れる機会もないであろう。
ユプシロン候補の方の話どおり,35km以降は,ずっと下りである。
とにかくここでタイムを稼ぐことが,
完走のためのキーだ。
勢いをなるべく殺さないよう,颯爽と駆け抜ける。
★★★★★★★★★★
【編集後記】
外部の新入社員研修をしました。
少しでも会計に興味を持ってもらえれば嬉しいです。
ないすとぅみーとぅ!