会計の良い面はどこにあるでしょうか。
そのうちの一つは、すべて数値化(金額化)されるところにあるでしょう。
数値・金額で表されているからこそ、
比較することが可能となります。
100万円は誰にとっても100万円です。
1兆円企業は誰がどう見ても1兆円企業です。
ギルマンの三つの公準の一つに、
「貨幣的評価の公準」なるものがありまして、
すべて数値で表されることが、
企業会計の一つの前提になってるんです。
年収300万・1000万・3000万・1億、、、
これも、数値化されているからこそ出てくるもの。
ロレックスは○○万円、グランドセイコーは○○万円、
ガーミンは○○万円、フランク三浦は○○円、、、
これらも同様ですね。
数値化されていることでそれが統一のモノサシとなり、
比べるときに役に立つのです。
一方、会計の世界ですべて数値化されていることには悪い面もあります。
数値化できないことは表せないことです。
たとえば、ポイントカードのポイントは、
会計的に考えると、すぐにでも使ってしまうべきなのですが、
なかなか使う気にならなかったりしますよね。
たくさんためて、ある程度たまってから使いたくなるもの。
ここには人間の心理が含まれます。
が、会計には、
そのような数値化できないものは表せないという限界があるのです。
(1万円の得より1万円の損のほうがイヤだという
行動経済学に近い分野ですね。)
最近ですと大谷翔平選手の海外への移籍があります。
会計で考えると、大谷選手の移籍は利益になるんです。
莫大な移籍金が入ってきますからね。
しかし。
大谷選手を失ったことによって日本ハムの実力はどうなりますか?
来シーズン以降、結果が出ずに、むしろ長期的にはマイナスなのでは?
そのマイナス面が、一切会計の世界には表れてこないのです。
これがいまの会計の限界と言えるでしょう。
会計情報は確かに役に立つこともありますが、
その数値がどこから出てきているのか。
それによってどんな影響があるのか。
本当に利益が出ていることがいいことなのか。
その背景や裏側を想像する力も重要なのです。
カラオケの採点も、
本来は点数を付けるような性質のものではないと思うのですが、
無理矢理点数を付けてしまっているがゆえに、
あるべき歌からどんどん離れてしまっている気もしている今日この頃です。
★★★★★★★★★★
【編集後記】
昨日は実力テスト後に、受験生の恋愛相談に乗っておりました。
受験生の悩みは勉強だけではありません。
プライベートのこともジャンジャンご相談下さい。