これは,僕が人生で初めてインドはムンバイを旅したときの記録である。
過去のエントリは以下から。
生まれて初めてインドに行って感じたことをありの~ままの~文章にしてみた。その1
生まれて初めてインドに行って感じたことをありの~ままの~文章にしてみた。その2
生まれて初めてインドに行って感じたことをありの~ままの~文章にしてみた。その3
※主な登場人物
トミー帝:某外資系コンサルにて働くスーパーエリート。インドはムンバイへ赴任中。仕事でロジカルなのは当たり前だがプライベートでもついロジカルな面が出てしまい,なかなか良い相手が見つからないらしい。
AKB帝(羅帝):スーパー保険家。85kgの巨体ながらフルマラソン4時間切り,100kmウルトラマラソン2回完走,アイアンマンレース完走のすべてを,ランを始めてから1年以内に達成する強者。その文章力は圧巻。
マッチ帝:某ベンチャー企業のスーパー副社長。社内では神と呼ばれている。実力がありすぎてなんでも自分で出来てしまうため,いまは後継者の育成が課題。と本人は主張しているが,本当はしゃべりすぎて誰も話を遮れないだけとの噂も。
全員が私よりも年長者であり,人生の先輩として,またビジネスパーソンとして心から尊敬していることは言うまでもない。
※※※※※
ムンバイ空港に無事到着。
正式名称は,チャトラパティシヴァーシー国際空港というらしい。
新しいターミナルは今年完成したばかりということもあり,とてもキレイであった。
という久々の日本語にホッとした。
だがそれも束の間,入国審査へと向かう。
なめていた入国審査
英語が苦手な人にとっては,海外旅行は楽しみな反面,
現地でコミュニケーションがとれるかという不安が数パーセントはあるはずだ。
ただ,入国審査の心配をしている人はおそらくあまりいない。
聞かれることの定番パターンが決まっているため,その回答だけ準備しておけばよいからだ。
海外からの入国者の列の担当者は強面のおじさんであった。
英語が聞き取れないことは,行きの飛行機で痛いほど感じていたため,
前の人が何を聞かれているか耳をそばだてて聞いてみる。
しかし,大した会話ではないらしく一瞬で話し終えてしまったため何も聞こえなかった。
これならいける!と思ったのがいけなかった。
僕が事前に想定していたのは次のどちらかの質問だ。
「What’s the purpose of your visit?」
「 How long will you stay in this country?」
これらに対する回答は事前に念入りに練習しておいた。
「サイッシーン(sightseeing)」
「トゥーデイズ(two days)」
おそらくこの2つの回答については,
当時の僕は世界でベスト10に入るくらいの発音の良さだったと思う。
僕の番が来た。
審査員「hfjkんhvgychふyhfcう」
僕「???(分からない表情)」
審査員「jhfjへfdgボード?」
僕「???(分からない表情)」
ボード?ボードって言ったよな?
・
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そうか!ボーンか!
bornなら知っている。
アイワズボーントゥラブユー,だ。
生まれる,とかそういう意味だ。
おそらく彼は,僕がどこで生まれたか聞いているのだ。
それなら,簡単だ。
僕「ジャ,ジャパン!」
審査員「???(分からない表情)」
違った
すると,
審査員「フィッチフライト?」
こう言い換えてきた。これはすんなり聞き取れた。
ん?どのフライトで来たかって?それはそこに書いてあるはずだ。
そんなことを聞くわけ無い。
何を答えたらよいのか考えに考え抜いた。考えすぎて,時間切れだ。
審査員「SQ?」
向こうがしびれを切らして自分から言い出してきた。
だから,書いてあるじゃん。そのために書いたんじゃん。
あんた分かってるじゃん,と腸の煮えくりかえる気分だった。
しかし,知っていることを敢えて相手の口から聞き出すことは重要だ。
「今期の状況はどうでしたか?」
数値を観れば概ね分かる。
ただ,数字だけを見て分かることと,経営者自身の言葉で語ってもらって分かることは,
天と地ほどの差があるものだし,
自分の想定と同じ回答が返ってくることで自信を確信に変えることが出来る。
不動産を買うときも,司法書士が念のため購入者に対し,物件情報や生年月日などを細かく再確認してくるらしい。
日本ではよく分かっているはずだった。
異国ではそれどころではなくなっていたのだろう。
僕「イエス!」
僕がインドの地で初めて発した単語は,幼稚園児でも分かるレベルであった。
トミーと再会
やっとこさ入国審査を終え,ほっと一息。
携帯を機内モードから通常モードに切り替え,事前に調べておいた通信会社につなげてみると,
10件を超える不在着信があった。
相手はもちろんトミーであった。
急いで電話をかけ直し,少し通信状態が悪く聞き取りにくいながらも,
およそ1年ぶりとなるトミーの声を聞き,異国の地で日本語で話せる安心感を感じた。
入国審査のあと税関もかなり混み合っており,さらに時間がかかってしまったのだが,
無事にトミーと合流。固い握手を交わし,一緒にタクシーチケットを買いに行く。
トミー「hづyrんっjkfgっbgcqrcgc」
タクシー「hjdbhgflう゛ぃうんcうfcいrwy」
トミー「fjhだbkるyfrcうぃ」
タクシー「ht8c7んqcyrg」
トミー「jでゅfgぶyrjghd」
翻訳
トミー「ハイ!ここからタクシーでいくらだい?」
タクシー「よう!ここからだと5000ルピーってとこかな!」
トミー「うそつくな!俺は1500ルピーしか出さんぞ」
タクシー「クッ,ただの日本人じゃないようだな。負けたよ。わかった2000ルピーでどうだ」
トミー「チッ。しゃーないな,安全な車を頼むよ。」
そんな会話をしていたようだった。
とにかく何も聞き取れていない。
無事にタクシーチケットを買った我々(買ったのはトミー1人だが)は,
ロビーから出て,先に到着していたAKBと合流した。
若干待ちくたびれているようにも見受けられたが,
その体格,そしてその存在感はインドでも健在であった。
このときの僕の格好がありえない,ともっぱらの評判である。
ついに,ついに,インドに来たのだ。
続く。
複利のような逓増人生を歩みましょう!
コメント
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